COLUMN

健康コラム

怪我からの復帰(関谷俊彦の巻 その3)

2008.04.08

 治るはずがないと考えていたつま先が、次第に真っすぐ前方に向き出した時には正直私も驚きました。行けそうだと考えてマッサージだけではなく、プールでの歩行練習など下肢の負担にならなくて、心肺機能を維持するトレーニングも開始しました。

 固定自転車による乗車練習も徐々に行えるようになってきたのですが、まだレースは無理だと思いました。しかし、レースに乗らないと賞金が入らず生活が出来ないという問題がありました。

 痛みをこらえて2年間のリハビリの後、彼がS級としてレースに参加出来たのは、平成4年10月のことでした。結果は散々たるもので9着、9着、8着と ただレースに参加しただけのものでした。その後約4年の間、痛みをこらえながらのトレーニングが続いたのです。

 最盛期の出来には戻れないにしても、毎日の練習で少しずつ力も付けてきており、何とか選手として自立して生活が出来る様になりました。その後約2年間は彼からも連絡が少なくなり、便りがないのは無事な証拠と安心しておりました。

 しかし、悪魔は、そう簡単に彼を解放してはくれなかったのです。
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寺門敬夫

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寺門敬夫

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