COLUMN

健康コラム

「肩の痛み」:五十肩(その2)

2008.02.18

 『五十肩』の原因は、肩の周りにある組織が加齢によって変性(もろくなる)をおこし、痛みや炎症を生じ、反射的に筋肉がこわばりをおこして動かなくなります。
 このように動かなくなった状態を凍ってしまったようなので『凍結肩(frozen shoulder)』といいます。このような状態を軽くするために『五十肩』では様々な運動が取り入れられています。

 症状が生じたばかりのときは『急性期』といい、炎症が盛んな時期ですので積極的な運動は極力避け、炎症を軽くするために安静をはかります。
 2〜3週間経ちますと炎症は軽くなりますので、動かさないのはむしろ有害でこのままでは関節包が縮まり関節の動きが悪くなります。この時期より痛みのない方向に動かす運動を始めます。


 この時期に行う運動で代表的なものに『コッドマン体操』があります。

 (1)体を前方に90度に倒し、
 (2)腕の力を完全に抜いてぶら下げて、
 (3)上体から肩をぶら下げる形をとります。

 この姿勢をとることで肩の組織の緊張を取り除きます。
手にアイロンやダンベルなど重みのある物を持ち、腕の力を抜いた状態で痛みのない方向から腕を振る『振り子運動』です。

 この運動は家庭で簡単にできるので『五十肩』のときに主治医から、最初に教わる体操ではないかと思われます。この体操は肩関節にかかる負担が少ないので急性期を過ぎたすぐ後には有効なのですが、これだけでは肩の動きを良くするには限界があります。
 よって、この体操で肩関節がある程度動くようになれば、痛みの耐えられる範囲で、決して無理することなく積極的に肩の筋肉を使う運動をすることが勧められます。

 次回は「肩の筋肉を使う運動」についてお話します。
icon-02前ページ 次ページicon-01
寺門厚彦

コラムの著者

寺門厚彦

ドクターズ コラム

ページトップへ戻るページトップへ戻る