COLUMN

健康コラム

「肩の痛み」:肩こり(その1)

2007.11.21

 『肩こりとは何?』と言いますと、首から肩甲骨あるいは上腕骨につながっている筋肉、主に肩甲骨を吊り上げる筋肉(僧帽筋や肩甲挙筋など)が痛くなり、凝って、しびれて、そして冷たく感じるという筋肉の疲労状態を指します。

 僧帽筋とは、カトリックの僧侶が被る四角形の帽子みたいな形状をしている筋肉で、首から肩甲骨・背中にかけて存在します。『肩こり』のときは、まずこの筋肉が凝ります。それから肩甲骨を吊り上げる肩甲挙筋が凝って肩こりを起こします。
 大後頭神経という神経が後頭骨付近の僧帽筋を貫いて後頭部の皮膚に分布しているので、僧帽筋が凝ると大後頭神経が刺激されて頭痛が起こり、それに伴い眼の奥が痛くなるという症状が出てくることがあります。

 『肩こり』は、「うつ伏せで何時間も本を読んでいた」、「パソコンをずっとしていた」などある特定の姿勢で筋肉を動かさない状態で力を入れていたときに生じやすいです。筋肉が凝ると、筋肉への血液の循環が悪くなり、筋肉に疲労物質が溜まりやすくなり痙攣が生じ、筋肉に痛みが生じるという症状が出現します。


 よって『肩こり』を起こしてしまったら、
�血行障害を改善する、�痙攣を取り除く、�痛みを取り除く、などの行為が有効となります。筋肉への血行を良くするためにお風呂や温泉に入る、痙攣を改善するためにストレッチングや指圧を行う、痛みを取るために痛み止めを内服するなどは効果があります。

 また病院にある牽引には骨のアライメント(骨の並び)を変える効果はなく、むしろ筋肉のストレッチング効果を期待しています。しかし急性期(寝ちがえを起こしたばかりのような状態)に引っ張ると、かえって症状を悪くしますので注意が必要です。
 牽引が効いているかは引っ張ったあと心地が良くなったかどうかが大切で、引っ張って症状が軽くなったら継続しても良いですが、かえって辛くなった場合は牽引を止めることが大切です。

 『肩こり』を予防するためには普段から『肩こり』予防の体操を行うことが良いといわれています。具体的な内容は次回にお話しします。
icon-02前ページ 次ページicon-01
寺門厚彦

コラムの著者

寺門厚彦

ドクターズ コラム

ページトップへ戻るページトップへ戻る