松本 整
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COLUMN
健康コラム
「動脈硬化について」
2007.11.20
ここまで、メタボリック症候群について書いてきましたが、内臓脂肪の蓄積を基にした高血圧、糖尿病、高脂血症らは、あなたの血管に負担を与えて行きます。
そして、最も恐ろしいことは、それらの疾病が相互に作用して、動脈硬化を促進して行くことなのです。先ず最初に言っておくと、動脈硬化の進行から発症する循環器疾患は、死亡するか、運良く死ななくても、社会復帰に大変な時間とお金が掛かるものばかりです。
そういった状況になりたくない人は、生活習慣の改善に今すぐ取り組むべきなのです。
まず動脈硬化というと血管が硬くなるというイメージですが、硬く脆くなるとともに、血液が通るところが狭くなることが特徴です。動脈硬化には、アテローム性粥状動脈硬化、細動脈硬化、中膜硬化がありますが、最も症例が多いのがアテローム性粥状動脈硬化です。
アテローム性粥状動脈硬化は、生活習慣とのかかわり合いが深く、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などが危険因子となり進行すると考えられています。
アテローム性粥状動脈硬化は、動脈(血管)の内側にアテローム(粥状)のプラーク(隆起物)が発生している状態です。このプラークは、コレステロールなどの脂肪性の物質が動脈壁にたまったものです。プラークは長い期間を経て成長し、血液の流れを妨げて行きます(狭窄)。こうして血管の中が狭くなり血圧もあがって来るのです。
また突然、プラークが破れて血管内で血液が固まり血栓が出来て血管をふさいでしまう場合(血栓)や、血栓が剝がれてさらに細い血管をふさいでしまう場合(塞栓)があり、共に、その先の細胞へ酸素や栄養素が流れて行かないことになり、そこから先の細胞は死んでしまい、元には戻らない状態になってしまいます。
つまり脳梗塞になったときに死んでしまった脳細胞は元には戻らないということです。
脳に限らず、こうして機能しなくなった細胞や臓器は、もう二度と元へは戻らなくなってしまいます。動脈硬化から起るこうした症状は、大変厳しい状況を本人は勿論、家族にまで及ぼしてしまいます。
今までの話で、動脈硬化の恐ろしさを、少しは理解していただけたでしょうか?
血管の老化は、誰にでも起こります。しかし、動脈硬化は年齢が原因と諦めてはいけません。動脈硬化を病気と捉え、生活習慣を改善することで動脈が老化していく速度は大きく変わってきます。それほど生活習慣は大切だということです。
次回は、コレステロールの基準値や動脈硬化の予防について話を進めて行きましょう。
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コラムの著者
松本整
メタボリック 症候群について
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