松本 整
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COLUMN
健康コラム
「高脂血症について」
2007.10.31
総理府の調査によると高脂血症は、他の生活習慣病に比べて、疾病としての恐怖感がなく、どんな病気なのか、よくわからないと答える人が多いという結果となっています。「生活習慣病に関する世論調査」(平成12年2月総理府)
しかし、高脂血症は、高血圧と同様にサイレントキラー「沈黙の暗殺者」と呼ばれる、侮ることのできない疾病なのです。
高脂血症自体は、全く痛くもかゆくもない病気ですが、お腹まわりが気になりだした人は、この高脂血症についての対策を考え始めるべきです。進捗状況次第では、恐ろしい合併症を引き起こしてしまうかもしれません。
では、高脂血症とはどのような状態かというと、血液の中の脂肪が、つまり脂質と呼ばれるコレステロールや、中性脂肪が増えている状態のことです。また血液の粘り気も増してきます。そして、この状況が続くと、血管内に脂肪(脂質)が沈着して、動脈の壁が厚くなり、血液の通るところが狭くなっていきます。そうして、血管に対する圧力が高くなり、血管に負担を与え続けて行くのです。
コレステロールは、細胞膜やホルモンの元になる体に無くてはならないものです。そして、肝臓から細胞へ運び出されるのがLDLコレステロールで、余った分を回収して肝臓へ持ち帰るのがHDLコレステロールです。
血液中に脂肪(脂質)が増えると、LDLも増えて行きます。LDLは、一部酸化されて血管に付着し、動脈硬化の原因にもなるため「悪玉コレステロール」と呼ばれています。
一方、血液中の余分なコレステロールを回収することから「善玉コレステロール」と呼ばれているHDLは、血液中の脂肪が増えると減っていきます。このように、高脂血症は血液中の脂質の異常が原因にもなっているので、最近では「脂質異常症」とも言われています。
高脂血症には、「原発性高脂血症」と「続発性高脂血症」と2つのタイプがあります。原発性は遺伝的要素が高いとされており、原因が特定しにくいものです。皆さんに関係が深いのは、日ごろの生活習慣が、原因として大きな影響を与える、続発性高脂血症と言われるタイプのものです。甲状腺障害や腎不全なども発症原因になりますが、高カロリー(高脂肪)の食事、喫煙習慣、糖分やアルコールの過剰摂取が大きな原因となります。
脂肪の摂取だけではなく、食べ過ぎて摂取した余分なカロリーも、中性脂肪に変えられて内臓脂肪として蓄えられます。先にも書いたように、血液中の脂肪増加は善玉コレステロールHDLの減少と悪玉コレステロールLDLの増加を招きます。LDLが増加する様な食生活は避けるべきです。
また一方で、運動習慣を身につけることも重要です。少し速足で歩くといった運動でも、続けることで効果が現れます。日々の生活の中で、運動を継続して行うことで、中性脂肪を減らし、善玉コレステロールも増えてきます。また同時に糖尿病に関係するインシュリンというホルモンの働きもよくなって行きます。あなたの未来を守るためにも、まず、食生活を改め、簡単な運動を始めましょう。
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コラムの著者
松本整
メタボリック 症候群について
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