COLUMN

健康コラム

「高血圧について」

2007.10.05

今回は「サイレントキラー」と呼ばれる高血圧について説明していきます。

日本人の血圧が2mmHg下がるだけで、脳卒中で死亡する人が1万人減り、循環器疾患(心臓と血管の病気のことです)全体では2万人の死亡が防げるとされています(厚生労働省:健康日本21)。
それほど血圧というものは健康に大きな影響を与えるということです。

心臓はポンプのような働きをしていて、心臓から送り出された血液を血管が運びます。この血液の中に人間が生きていく上で必要な酸素や栄養素が含まれていて、血管によって体の隅々まで運ばれるのです。
この血管にかかっている圧力を「血圧」といいます。

血圧は心臓の動きによって変化します。心臓が収縮して血液を送り出す時にかかる圧力を最高血圧または収縮期血圧といいます。逆に心臓が拡張して血圧が低くなったときの血圧を最低血圧または拡張期血圧といいます。
この血圧の「最高血圧が140mmHg」「最低血圧が90mmHg」を超えると「高血圧」と診断されます。

血管にかかっている圧力が高い状態が長く続くと、血管は傷んできます。傷み方は色々ありますが、古くなって硬くなったゴムホースのように血管が硬くもろくなっていきます。このようになるまで高血圧を放置していると「高血圧」を原因とする「脳梗塞」や「心筋梗塞」、「腎不全」などの様々な合併症を起こしてしまいます。

日本人の高血圧患者は推定3000万人といわれ、その90%が本態性高血圧と称されるタイプです。本態性高血圧は明確に原因を特定できないながら、遺伝的要因と生活習慣がなどの環境要因が重なることで起こると言われています。
つまり、運動不足や塩分の過剰摂取、過度の飲酒、喫煙習慣、肥満といったことが、遺伝的な体質と重なり高血圧になっていくということです。

飲みに行った帰りにラーメン、という生活はいつか大変な状態を招きます。またイライラしながら煙草をたくさん吸ってしまう貴方も生活習慣を考える必要があります。血管に大きなダメージを与え続ける高血圧。「サイレントキラー」が静かにあなたの体をむしばんでいきます。

食べたい物を食べ、行きたいところに自分で行き、好きなことを楽しめる人生。それには健康でなければなりません。いつまでも健康でいるためには、運動習慣を身につけ、塩分を控えめにし、喫煙習慣からの脱却を目指すことが重要と言えますね。
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松本整

コラムの著者

松本整

メタボリック 症候群について

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