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健康コラム

中高年に多い膝関節痛:変形性膝関節症(その4)

2007.10.03

前回は変形性膝関節症の大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)の筋力訓練法についてお話しました。大腿四頭筋は膝を伸ばすときに働く筋肉です。実は椅子に腰掛けて膝を曲げた状態から立ち上がるためには体重の7〜8倍の膝を伸ばす筋力が必要と言われています。よって椅子から立ち上がるときに何かに手を支えてしまう方は、大腿四頭筋筋力が弱いことを意味します。この筋力が衰えると膝関節の安定性が悪くなり、痛みが生じますのでご注意ください。

今まで変形性膝関節症に対する運動療法についてお話してきましたが、運動療法以外によく質問を受けることが多いのが健康補助食品(サプリメント)についてです。今回はサプリメントについて少しお話したいと思います。

最近、話題になっているサプリメントで「グルコサミン」「コンドロイチン硫酸」「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「鮫の軟骨」など様々なものが通販番組で紹介されています。関節の軟骨は70〜80%が水で、それ以外は「コラーゲン」「コンドロイチン硫酸」「ヒアルロン酸」などからできています。「グルコサミン」や「コンドロイチン硫酸」に関して効果があったという文献が国内外で散見されますが、まだ効果のほどが判っていないのが現状です。口から食べた「グルコサミン」「コンドロイチン硫酸」「コラーゲン」「ヒアルロン酸」がどのように関節軟骨に届くのかまだわかっていません。

よってサプリメントに関しては試してみるのはかまいませんが、「これで変形性膝関節症を治すぞ!」といった過度な期待をするのではなく、あくまでも健康食品と割り切って接したほうが良いかと思われます。
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寺門厚彦

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寺門厚彦

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