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COLUMN
健康コラム
中高年に多い膝関節痛:変形性膝関節症(その3)
2007.08.29
変形性膝関節症のお話もこれで3回目となりました。前回は変形性膝関節症に運動療法(ストレッチ、筋力訓練)を行う理由についてお話しました。
運動療法による効果として「痛みの改善」「筋力の回復」「関節の動きの改善」「膝の水を減らす」などがあります。しかし、レントゲン写真による変形の進行(軟骨の損傷)は止められません。運動療法のメカニズムについては不明な点が多いのですが、一般的には、筋力アップによる関節安定性の獲得や軟骨に加わる力を弱め分散させる作用、ストレッチによる筋・腱・靱帯の弛緩作用などと考えられています。いずれにしても、運動療法により筋力が上がり、膝の痛みが楽になります。代表的な運動療法をお示しします。
(1)下肢挙上訓練(等尺性運動)
これは仰向けの姿勢で右膝を伸ばし、右足の踵を床から約10cm上げ、右下肢を持ち上げた姿勢を10秒位保持します。この動作を1回として1セット20回、1日2セットが目安です。この際、左膝は曲げて左足の裏を床につけて(立ち膝)ください。この立ち膝姿勢をしないと腰を痛めることがあります。右膝が終わったら左膝も行ってください。この運動は関節を動かさないため痛みが出にくいです。また10cm以上持ち上げると鍛えたい筋肉以外が働き効果が薄れます。
(2)膝伸展筋訓練(等張性運動)
座位で膝下に枕や座布団を入れ、膝を約45度曲げた姿勢から膝をまっすぐに伸ばす訓練です。これを1回として1セット20回、1日2セットが目安です。
これら2つの運動療法はいずれも大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)の筋力訓練です。この膝を伸ばす筋力訓練は基本的に全ての膝疾患に対する重要な治療法の1つです。自宅で簡単にできますので、是非とも実践してみてください。
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コラムの著者
寺門厚彦
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