「目標?」
2008.01.08
4000人の観衆の前に、彼は立っていた。
1分間も続く万雷の拍手が彼を迎え、そして、彼の基調講演は始まった。
2005年の1月11日、サンフランシスコで開催されたマックワールドでの光景である。
彼は、自分が立ち上げた会社(Apple)を追放され、そして古巣(Apple)へ奇跡の復帰を果たし、膵臓がんをも克服、iTunes/iPodで大成功を納め、音楽事業をパソコンと並ぶAppleの柱にすることに成功した。50歳という年齢で、パーソナルコンピューター、アニメーション映画、音楽業界に多大な影響力をもつ男。
彼こそ、現代のカリスマ、スティーブ・ジョブズである。
同じ2005年6月12日、スタンフォード大学の卒業式に来賓として招かれた彼は、卒業祝賀スピーチの中でこう言っている。
「自分が死と隣り合わせにあることを忘れずに思うこと。」「これは私がこれまで人生を左右する重大な選択を迫られた時には常に、決断を下す最も大きな手掛かりとなってくれました。」
そして、こうも言っている「君たちの時間は限られている。だから自分以外の他の誰かの人生を生きて無駄にする暇なんかない。」(翻訳 市村佐登美)
さて、俺たちは、ついに新しい年、2008年を迎えることになった。
多くの人が、新年を迎えて今年の目標を立てている。果たして、あなたが今年の目標とした、その目標は、本当に、心から達成したい目標なのだろうか?俺たちに、達成しても、達成しなくても、どちらでもいいような目標を目指しているような時間は無い。
スティーブ・ジョブズは、祝賀スピーチの最後をこう締めくくっている。
「Stay hungry stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)」
夢の実現に渇望しているだろうか? 小利口に生きてはいないだろうか?
本当にしたいこと、本当に到達したいところを必死で探さなければならない。
運よく、それを見つけられた人間は、死に物狂いで、そこを目指さねばならない。
人生の時間は有限という紛れもない事実。
人は誰もが、背中に見えない砂時計を背負っている。
歩いて行こう。 探しに行こう。 その砂が落ち切らないうちに・・・。