「変化」
2007.11.13
今、サブプライムローン問題をきっかけに、為替相場、株式相場等で大きなうねりが起こっている。ドルは急落し、株は日米で大きく下げ、金融市場にさまざまな影響を与えている。
今回の問題は、根が深く不気味なものだとされるのは、どこまで損失が膨らんでいくかが誰にも見通せないというところにある。
その原因として、信用リスク(債権債務の不履行のリスク)というものが、今までの銀行(与信者)と借り手(債務者)という関係から、株や債券の発行者(債務者)とその買い手(保有者)という、市場で流動性のある関係に変化し、流動性リスク(市場での換金リスク)、市場リスク(投資によって生じる価格変動リスクなど)などと相互に関連してしまったことにある。
つまり、ひとつの不履行による損失が、どこまで影響しているかが管理できなくなってきているということになる。これも金融のグローバル化という、変えられない変化の中のひとつの現象だろう。
何かひとつ上手くいかなければ、その変化が良くないとする人がいる。例えば、アスリートがトレーニング方法を変えるとき、自身の競技レベルや年齢に応じてトレーニング目的は常に変化せざるを得ない。当然目的が変わればトレーニングが変わる。
もちろん、変えてからしばらくは、うまく機能しないときがある。しかし、その原因は新しいやり方に不慣れであるということと、慣れているやり方(過去のパターン)にどこかで精神的に依存しているからである。しなければならない変化は、しなければ生き残れないのである。
これは、組織改革についても同じことが言える。組織改革自体、今が駄目だから始めることであり、今より良くなるために行われることの筈だ。改革が上手くいかないとき、すぐに元に戻ろうとするのではなく、その原因を正確に理解しようとすることが重要だ。
これは、アスリートなら本人が判断しなければならないことになるし、会社なら経営サイドの仕事となる。
変化させることは、非常にエネルギーのいる仕事となる。変化に適応していくまでには、いろいろな抵抗がある。しかし、日産の復活、カネボウの再生など、あらゆる復活と再生には、変化が必ず伴っていることも確かな事実と言えるだろう。
あなたは、変化を起こす情熱と、変化を受け止めるエネルギーを持ち合わせているだろうか?