「判断基準」
2007.11.05
前々回のコラム「近未来」で取り上げた高齢者医療の負担凍結について、多くのメディアで、次期衆院選を意識した選挙対策だとしている。今回の目先の票を優先した選挙対策の結果、財務規律が緩むだけでなく、世代間及び、世代内の不公平感も残るとしている論調が多い。
今回の凍結で対象となる人たちは、会社員の子供らに扶養され、保険料を払っていない75歳以上の約200万人と、窓口負担が、1割から2割へと引き上げられる予定だった70〜74歳の約600万人の計800万人である。この凍結で必要な国庫負担額は、約1 460億円となっている。
「1選挙区あたり2万7千票」これは、永田町で飛び交っているとされている数字である(日本経済新聞『逆走ニッポン』より)。衆議院の選挙区300区で、今回の対象者800万人を割った数字だ。この凍結で、単純計算で均等割りにすれば、1選挙区あたりで、今回、得をした人たちの2万7千票が獲得できるという発想から生まれた数字だが、果たして日本人は、そういった目先の損得で投票するという人ばかりなのか?
今回の1年間の凍結で負担される