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松本 整 オフィシャルブログ「鉄人疾走」

「変化する答え」

2007.09.04

新幹線に乗って移動をしていた。
今回は、日本電産サンキョーのスケート部の合宿へ帯同するため京都から東京経由で長野の佐久平までの移動である。上越新幹線は高崎までしか行ったことがなかっただけに軽井沢を過ぎるときには軽井沢が、東京から思ったより近いことを意外に感じた。

年々移動するためにかかる時間は短縮されている。新幹線一つ採っても、俺が競輪選手になったころは「こだま号」と「ひかり号」しかなかった。今はさらに早い「のぞみ号」がダイアの大半を占めるようになっている。それだけ早く移動できることを多くの人が望んでいるということだろう。もちろん俺も移動時間は短いに越したことはないと考えている。少々お金が高くなっても、有限な時間を買えると思えば金額以上の価値がある。

より多くの人が早さと利便性を手に入れたいと考えている。そんなことを考えながら窓の外を見ていた。不意に先日、車のラジオから流れてきたCMを思い出した。確か、光の速度の観測に成功した科学者の話から、おじいちゃんが「光の速度は一秒間に30万キロを進むんだ、1秒間に地球を7周半もするんだよ」といった内容を子供に説明する。子供は「それでは光に乗って世界旅行をしても速すぎて楽しくないね。」というように答えるというものだった。

距離が決まっていれば速度というもので移動時間が決まる。仕事の移動などは早いに越したことがないが、何かを楽しむにはゆっくり移動するほうが良いということもある。つまり目的によって時間をどう感じたいのかは変わるのである。

これは何事にも適正な時間があるということに置き換えられる。そしてそれは距離にも同じことが言える。何かを見るとき近すぎても遠過ぎてもうまく見えないように、距離にもその人によって適正なものがある。距離や時間といった確立した測定法があるものですら人間が何を求めているかによって、その答えは多様に変化する。
まして測定法のない幸せや不幸などその場面に出くわした人間がどう考えるか?ということで全く変わってしまう。つまり確立した不幸も幸せもないといえる。
それなら、すべての不都合をチャンスに変えるようにもできるはずである。
その出来事にどう向かい合うかは自分が決める以外にない。
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