「変化」
2007.08.28
今、付加価値の低い仕事は、どんどん海外へ移行されている。
トーマス・フリードマン著書「フラット化する世界」によると企業の製品サポートや、クレッジットカード決済の未納のお知らせ、荷物の確認などの俗に言うコールセンターで行うような業務。さらに簡単な税務・会計の仕事、医療に関係する仕事の一部も仕事の海外移行の流れに則っている。これらのように付加価値の低い仕事や情報をデジタル化できる作業は、すべてもっと安い賃金で高い能力を持った人がコンピューター処理を担当するか、直接応対する業務では通信設備が整った施設の中で、安い賃金で高い意欲と能力を持った人が業務にあたっているとしている。
つまり教育レベルは高く、通貨の安い国へ仕事は流れて行っているのである。例えばコールセンター業務やコモディティ化された情報の配信は、アメリカならインドのバンガロールに、日本なら中国の大連へ海外移行させている。
これらの都市では英・米・日の約5分の1以下の賃金や家賃で済むということである。
これは通信テクノロジーの進歩が作り出した大きな変化と言えるだろう。
かたや日経新聞の夕刊には、このような記事が載っていた。
ネットカフェ難民が5400人に上ることが厚生労働省の調査で分かったとしていた。
半数が日雇い派遣やパートなどの非正規雇用。40%は失業者や就職活動をしていない無業者としている。
同省の調査ではネットカフェで夜を明かす生活を送っている利用者は1日当たり6万900人に上り、内7.8%が住居がない状態の生活を送っている。また同調査では、住む家がない理由として東京の33・6%、大阪の17.1%が仕事を辞めて家賃が払えなくなったと回答している。入居後に家賃を払い続けられるかが不安としたのは東京37.9%、大阪58.5%だった。
日本では1日に6万900人がネットカフェで夜を過ごし、新たな貧困層としてネットカフェ難民(住居喪失不安定労働者)が生まれた。インドでは毎年250万人にのぼる人間が、先に書いた新たな労働市場に加わり、年間8万9000人のMBA取得者を生み出している。
スキルの低さは、賃金を下げるという競争を生みだす。しかも現代では、その競争規模は、地球全体に及んでいる。
そして、先進国と思われていた国々から仕事を移行されているインドや中国の施設で使われているコンピューターのOSはマイクロソフトのウィンドウズであり、CPUはインテルである。そしてミネラルウォーターはコカコーラ製品となっている。誰が勝っているかは一目瞭然である。そして変化に負けている者は誰かも一目瞭然となっている。
しかし、変化は自然な出来事であり、批判するべきものではない。
要するに、これに対応する、もしくは作り出す側に回る以外に生き残る道はないのである。
はたして我々は生き残れるだろうか?