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松本 整 オフィシャルブログ「鉄人疾走」

「区別・識別」

2007.07.03

最近「格差社会」という言葉をよく耳にする。
資本主義というものは、本来結果の平等を目的としない社会のはずである。つまり資本主義の世界では格差は必ず生まれることになる。ただ「その下限をどうするか?」ということには政治的なアプローチが介入する問題となる。
結果の不平等は当たり前として、チャンスの不平等が本当の格差を生みだす。
今の日本には結果の平等を求め、チャンスの不平等を感じない人が多すぎるように感じる。
そして格差といえば一般には、経済的格差を指すことが多いが、経済的格差が教育を受ける格差を生み、それがまた経済的格差を生みだすという連鎖が起こっていると言われている。しかし、この数年でもっと身近なネット検索が上手くできるか?出来ないか?というだけでも知識の格差が生まれる時代となっている。知識は区別、識別、そして予測という行為には重要なファクターとなる。

つまり、インターネットの普及で以前より存在する経済的格差に加えて、一般庶民の間にも情報取得力に格差が出だしているということだ。
例えば、この先、保険料の窓口負担や、社会保障費が増え、生活習慣が病人を作るということを全く予想しない人が、不健康な生活習慣を送り、15年後に、メタボリック症候群となり、薬を飲みながら生活して最後に動脈硬化が原因で脳血栓が発症する人と、前記のことを予想して健康を心がけて生活してきた人とでは、体の状態だけではなく貯蓄も所得も有効に使える時間も違ってくる筈だ。
貧困の文化が貧困を生むように、不健康な生活習慣が新たな患者を作り出す。
健康的な生活とは何か?なぜこの運動が必要か?運動法の違いは?知らないことは区別ができず、良い悪いすら分らない。まして知らない世界を正確に予測することは困難だ。

これからは、新たに、区別、識別、予測する力の差が、人生の中で大きなリスクを背負う確率を変えるだろう。情報の取得力が原因となる区別・識別・予測力格差がすでに出来上がりつつある。
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