「知識」
2006.11.07
メタボリックシンドロームが話題となっている。 内臓脂肪の蓄積に加えて、血清脂質異常、血圧の高値、高血糖のうち2つがあてはまれば、メタボリックシンドロームと診断される。 ここは、健康の情報を提供するための場所ではないのでこれ以上詳しくは書かないが、先日の朝日新聞では「子供のメタボリックシンドロームも増えだし、厚生労働省は2007年度中をめどに、子供のメタボリックシンドローム診断基準作りを進めている」と書かれていた。
そうした中、日本の医療費は、1984年度の16兆159億円から、2004年度の32兆1111億円とこの20年間でほぼ2倍の増加となっている。その上、これから訪れる少子高齢化社会は、医療費の急激な増大と社会保障制度の持続という点で、大きな問題を投げかけている。 すでに現在の日本財政は危機的な状況とも言われている。社会保障制度に関しては、崩壊を心配する声も上がっている。医療費の窓口負担は確実に増える方向にあり、メタボリックシンドロームに代表される国民の健康意識の低さから来る医療費の増大は、国の財政の健康をも脅かす存在のひとつとなってきている。
国民の健康意識を高めることが必要だ。しかし、一般には運動の知識ひとつをとってみても、やるかやらないかのレベルでの判断であり、トレーニング法とその効果の違いについて知識のある人は医師といえども多くはない。 ある理論のトレーニング法のメリット、デメリットどころか、レッグプレスというマシンには、運動する姿勢が異なるマシンが数種類あり、姿勢によっては、心臓への負担が高くなるマシンが有ることすら知らない人間が、運動の処方を書いている場合もある。
逆に高齢者の運動はどうあるべきかを真剣に考え、寝食を忘れて取り組んでいる医師もいる。あるフィットネスクラブでは、マシンの使い方を教えることが仕事とされている。その運動は結果として何を利用者に与えてくれるのか?その結果は、なぜその人に必要なのか?あなたに正確に答えてくれるだろうか?
つまり、現在の状況では、国民一人一人が、自分で健康ということについて真剣に考えることを始めないと選択する予備知識すら持つことが出来ない。実は、その選択が人生の質、時間、お金に多大な影響を与えるにもかかわらずである。