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健康コラム

中高年に多い膝関節痛:変形性膝関節症(その2)

2007.08.17

前回は変形性膝関節症の症状についてお話しました。

変形性膝関節症と聞くと「軟骨が磨り減った・・」と想像される方が多いかと思います。
『関節の軟骨』・・あまりイメージできないかもしれませんが、人間の軟骨は焼き鳥のナンコツ(白くてコリコリしたところ)と同じで、白くてつるつるしています。

実は軟骨には血管がなく血行がありません。人間の骨や皮膚には血管が存在し、骨折や皮膚を擦りむいても血行により組織が修復されますが、軟骨には血管がないため元に戻る能力がほとんどありません。一度軟骨が磨り減ってしまうと、減った軟骨が増えることはほとんどないのです。ですから、いかにして軟骨の損傷を防ぐか、または進行を遅らせるかということが大事になります。

また、みなさん「膝が痛いのは軟骨が磨り減ったせいだ」と思われるでしょうが、軟骨には血管や神経が存在しないので、軟骨の磨り減り(磨耗)で痛みを感じ取ることがありません。原因として関節の袋(関節包)が硬くなることや、膝関節の外側の筋肉・腱・靱帯が緊張して痛くなるなど、痛みを感じ取る神経が存在する部分が痛みの原因と考えられています。そして関節包や筋肉・腱・靱帯が硬くなるため膝の動きが悪くなり、正座や膝を伸ばすことが困難になります。

よってストレッチにて関節の袋(関節包)を伸ばしたり、筋肉・腱・靱帯の緊張を緩ましたりすることが有効なのです。また大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)の筋力訓練にて筋力が上がり、膝関節の安定化をもたらすため軟骨の損傷を防ぎ、進行を遅らせることができるのです。
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寺門厚彦

コラムの著者

寺門厚彦

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