松本 整
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COLUMN
健康コラム
怪我からの復帰(関谷俊彦の巻 その7)
2008.07.11
あっと言う間に3ヶ月が過ぎ、競輪復帰のタイムテストの日がきました。
心配しましたが何の問題もなく一発で合格しました。彼の回復力の素晴らしさにはびっくりしました。
いよいよレース復帰です。
復帰第一戦は7月17日の玉野競輪場でした。どんなレースが出来るか、落車はしないで欲しい、色々考えたら じっとしていられなくて新幹線の最終列車に乗ってしまいました。名古屋で泊まり、翌朝の始発列車に乗ればレースに間に合うので玉野迄行って見ることにしました。勿論、彼には内緒でした。
3年半振りのレース。彼の胸の内を考えると涙が出ました。レースは落車を避ける為に先行して粘りに粘って3着でゴールしました。
無事に走れた……3着でもこんなに嬉しいと思った事はありませんでした。黙って玉野競輪場を後にしましたが、後日 彼から報告がありました。
"お陰様で又 走れました。有り難うございました"
電話の向こうで泣いているのが分りました。数日後、お土産を持って彼が帰って来ました。お土産と一緒に3日間の賞金が封を切らずに入っていました。
"どうしても最初の賞金は先生に渡したくて……"
彼の気持ちを考えると返すことは出来ませんでした。優勝出来たら祝賀会の費用として使おうと決めて箪笥の奥にしまっておきました。
その後5年間優勝することはなく、昨年引退して競輪学校の教官になりました。
彼の生き方、物の考え方が教科書であり、生徒達にとっては最高の先生だと思います。教官の就任祝いを皆でやりました。5年振りに箪笥の奥から出した賞金袋の中には134,300円が入っていました。彼のびっくりした顔も楽しい思い出になりました。
関谷敏彦
…………私の想い出の選手の一人です。
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寺門敬夫
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