COLUMN

健康コラム

メタボリック症候群の因子「糖尿病」について

2007.08.31

現在、世界中の糖尿病患者は1億人を超え、わが日本でも糖尿病と強く疑われる人740万人、疑いを否定できない人は1620万人(平成14年度、厚生労働省推計)となっています。平成9年に行われた同じ調査では、強く疑われる人690万人、否定できない人680万人ですから、この5年間で予備軍が急激に増加していると言えます。こうなると糖尿病は、今や日本の国民的な疾病と言えるのではないでしょうか?

しかし、糖尿病についての正確な知識は浸透しているとはいえず、全体の6割強の人の情報源はTVかラジオのメディアからとされています。

今回は、この糖尿病についてお話ししていきたいと思います。
私たちの体を動かす基本的なエネルギーはブドウ糖です。体の中ではブドウ糖は血糖として全身に血液で送られエネルギーとして使われます。あまったブドウ糖は筋肉や肝臓にグリコーゲンとして、脂肪組織には脂肪として蓄えられるのですが、このブドウ糖をうまく体に取り入れられない病気を糖尿病といいます。
つまり血管の中にたくさんの糖が吸収されないで高濃度で存在する状態です。こうした状態が続くと臓器や細胞が侵されます。特に、たくさん細かな血管が集まっている眼や腎臓は、この影響で障害を御受けやすく、糖尿病の合併症で網膜症や腎症が発生し目が見えなくなったり、人工透析が必要になったりするのはこの影響のためです。

このような血管障害には今お話しした細小血管障害ともう一つ動脈硬化性疾患があります。このほかにも神経障害として末梢神経と自律神経の異常も糖尿病が引き起こします。

しかも、これほど大きな障害を体に起こす糖尿病も初期段階では、自覚症状が全くないということが事態を深刻にしています。この無自覚、無症状の段階で病気を発見するには検査しかありません。

次のチェックリストで6点以上の方は、すぐに検査をお勧めします。
2型糖尿病に(インスリン非依存型)‐かかりやすい条件チェック
(1)血縁に糖尿病がある(女性では妊娠糖尿病の発生がある)  3点
(2)20代前半より体重が10%以上増えている。       2点
(3)血縁に肥満、脳卒中、心臓病(狭心症など)がある     1点
(4)砂糖や脂肪分の多い食品を好んで食べる          1点
(5)車が足代わりで運動不足                 1点
(6)アルコールをよく飲む                  1点
(7)ストレスが多い(せっかち、イライラ)          1点
どうでしたか?
あなたの条件チェックは6点以下だったでしょうか?
次回はもう少し詳しく糖尿病について話してみたいと思います。
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松本整

コラムの著者

松本整

メタボリック 症候群について

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